2010年02月09日

カラスに話した白鳥の教え

 2010年2月8日
      カラスに放しててくれた白鳥の教え
      (月曜礼拝 カードNO.44   お話 安希子先生)
★ みんなカラス知ってるでしょう。このごろよく見ますね。あの鳴き声ね、みんなで鳴いてるとうるさいんだけど、ひとりの声を聞くとね、とってもさびしそうで、涙でも出してるんじゃないかって思うんです。
でも先生ね、その中でなんだかとっても元気がいい仲間がいることに気がついたんです。そこで先生ね、魔法使いのおばさんに頼んでね、カラスに変身させてもらったんです!ほんとだよ。するとすぐ「カーカー・・・・」、悲しそうな声の中にいるその元気のいいやつに近づいて聞いたんです。「ねえ、君はどうしてそんなに元気がいいの?よかったら聞かせて」「そう、ぼくの話聞いてくれるなんてうれしいなあ・・」、そういって、こんな話をしてくれたんです。

★ ・・・・・君も仲間だけど、ぼくの羽根をよく見てくれよ。仲間も黒いけど、ぼくのは特別真っ黒なんだ。ぼくはどうしても好きになれない。友達も自分が黒いくせにクロちゃんなんてバカにする。バカなんて怒鳴っても色は変らない。
 池で泳いでいるとみじめなんだよ。いろんなきれいな水鳥が泳いでるでしょ。白鳥さんがキラキラ光ってゆうゆうと泳いでいる。青い鳥、赤い小鳥、緑や黄色や小麦色の水鳥たちがワイワイいいながら楽しそう・・・そしてボクをチラチラ見て、クロちゃんってバカにしてるみたいなんだ。ぼくはそんなとき、水からあがると、天に向かって叫んだ、「神様のバカー」って。

 ★ それを聞いたきつつきさんが木からおりてきてこう言ったんだ。「なにをそんなに悲しんでるの。ぼく知ってるよ。君がどんなに家族思いかってこと。こないだの嵐の日だって、あの雨にもまけないで、エサをさがしてきてみんなに食べさせてた。あのときは本当にずぶ濡れだったの見てたんだ。ぼくの仲間も感心してたんだよ」
 そこへ、ふくろう君もおりてきて低い声を張り上げました。「そうそう、ぼくも見たよ、君は目もいいし、記憶力抜群だ。だから食べ物がどこにあるか、もうすぐ見つけるじゃない?みんなうらやましがってるんだよ」。
★・・・・それを聞きながら、なんだかぼくはとてもうれしくなった・・・・
でもダメなんです。次の日、お池に行くと、やっぱりみんながこっちを見てクロクロなんて言ってる。言ってはいないかもしれないけど、そんな気がする。それでもとの木阿弥。それであるとき、水に浮いてる鳥たちのいろんな羽根をひろってぼくの体につけたんだ。そしたらどうなったと思う?みんなよってきて、「あきみは何者?」といって茶化され、ますます悲しくなった。

★ でもね、そんなある日、森の入り口近くで泣き声が聴こえる。すぐ行ってみると、なんと白鳥さんがワナにひっかかっておなかにおおけが、血が出ていて死にそうなんです。ぼくは森のお医者さんにすぐきてもらおう、待っててね、というと、小さな声で白鳥さんがこう言ったんです。
 「ぼくはもうダメかもしれない。でもこれだけは君に言いたい。君はとっても親切で仲間思い。それを知ってて、クロちゃんなんていってごめん。本当にすまないと思ってる。ぼくは白くてきれいなんて、どこかで思っていばっていた。すまん。
けがをしてから考えてたんだけど、天の神様は不公平じゃない。君にはこんなにやさしい気持や仲間家族を大事にするあったかい心がある。それに目も耳も記憶力も抜群。それはみんな神様の贈り物だっていうことがやっと分かったんです。ぼくは、ただいばっていただけ。このけがは、神様からのおしおきなんです・・・いたた・・・ぼくはもう死ぬかもしれないけど、これだけは君に言っておきたかった・・・」。そういい終わると、白鳥はもうぐったり、静かになってしまったんです。

・・・それからぼくは白鳥さんのお言葉を何度も心の中で繰り返しました。・・・それからです、ぼくが元気になったのは・・・もう黒いことなんか気にしない。神様がいつも守っていてくれることが分かったからです。・・



Posted by 矢沢牧師 at 10:03