2010年12月28日

ペスタロッチのことばから

内面に沈潜、深みからの統合へ
   -真理の形骸で闘争してはならない!-
                     協議会長 矢沢 俊彦
  純粋に我々の奥底からくみ取った真理は、その形骸7のために争う幾千もの闘争者の間を統一するであろう。
                     ペスタロッチ『隠者の夕暮』より
この11月に私共の保育園舎の増築工事が終わりました。今ではすべてが美しく整い、新鮮な木の香りに包まれた子らの家はどこを見ても輝きにみちています。
 でもここに至る数ヶ月間の工事現場はそうではありませんでした。もう沢山の資材や道具機械が置かれ、多数の人々が出入りし、あたり一面は(業者は絶えず整理整頓をするのですが)、やはりすべてが雑然とし、カオスに近い騒然とした混沌の世界でした。しかし今やそれは一変した実に麗しき秩序のうちに息づいているのです。これまでの大小すべての動きや働き、作業や労働が一つも無駄にされることなく、この完成作品に生かされていることを思うとさらに感動的です。

 そこで自然に思いが及ぶのが、我々の世界の混沌、我が教界の混乱、そして自分の内部のカオスです。これらもやがて見事に秩序づけられるのでしょうか?この現場にも隠れた「棟梁」が監督しておられるのでしょうか?
 ペスタロッチによると、その大いなる方に出会うには、自分の心の奥底におりていくことが必要だという。空騒ぎをやめ、内面に出来るだけ深く降ること、そこでの出会い、そこでの発見洞察が、自分の痛ましい有様を明るみに出してくれる、私はこのように理解しました。

「何ということだ、真理のために戦っていたオレのつかんでいたのは、わづかにその「形骸」に過ぎなかったのか。数千もの「形骸同士」が激しく闘争しているというのか・・これはこわい、油断は出来んぞ。もっともっと深く下りていかねば・・。でも無数の分裂が少しづつ統一されていくこの心地よさ甘美さはどうであろう・・・・」。        



Posted by 矢沢牧師 at 13:12